遅くなってしまいましたが、先週、デンマークの生産者グループ、「グループ・ユニーク」の内覧会&勉強会に行ってきました。内覧会自体は四季を通してのコンセプトを作り、商材の使い方から店のレイアウトの提案までと、とても面白いものでした。
夜に、デンマークの量販店、ドイツの量販店、フランスの量販店、イギリスの量販店の4社のバイヤーを交えて勉強会をしました。テーマは勿論「どのように消費者に花を買ってもらうか?」
※ 店内の客の流れ方を意識した客の目を引くレイアウトになっているか?
※ 基本的な品揃えとして、何が必要か?
※ 店に合った企画、色の使い方とはどういうものか?目玉商品はあるか?
※ ディスプレイが一番の広告だという意識を持っているか?
・・・こんなことについて話し合いました。
会議中に、デンマーク人のバイヤーが面白いことを言っていました。「品種が沢山ありすぎて、消費者が店内でどうしていいか分からないでいる。」この言葉を聞いて思い出すことがあります。オハイオ州のセミナーを受けた時にも、アメリカのガーデンセンターの方が言っていました。「何でも屋になってしまうと、客が逆に来なくなる。花壇苗を売っている店、鉢物を売っている店、高級品を売っている店、資材を中心とした店など、店のカラーが無いと客は離れる。」
さて、ここで問題になります。「店のカラーとは何か?店に必要な品種(商品)とは何か?」勿論、店のオーナーが思い描いているもの、ロケーションや客層等によりいろいろな違いがあると思います。ただ、「店に何が必要で、何を置けば店のカラーが出せるのか?」というのは、店のオーナーだけの知識と判断で可能でしょうか?巷には無数の品種の植物が出回っています。それらの植物について一番良く知っているのは、それを毎日作っている生産者です。また、それらの生産者を良く知っているのが、市場、ベンダー、各地の花卉流通センターなど、営業をして下さる方々です。つまり、良い商品を上手にコーディネートすることができる方々です。
ただ単に、店に「この花がいいですよ。」という紹介の仕方は、店のオーナーにとってどれだけメリットのある情報なのでしょうか?「これらの商品をこのように使えば、このお店のカラーが出るのではないですか?」という、店をコーディネートしてあげるくらいの提案は出せないものなのでしょうか?それでこそ、店のオーナーは限られた情報の中で、より良い具体的な考えが持てるのではないでしょうか?
勿論、生産者も、市場やベンダーの営業の方々の企画に取り入れてもらえる様な自社のPRは必要です。現在の業界内の状況を見ていると、品質・見た目の良いものを作るのは当たり前で、それを上手にPRできている生産者が「勝ち組」になっている様です。なかには、直接販売店に対して営業をしている生産者もいますが、それは直接営業できる商品構成と有能な営業スタッフを持つごく限られた生産者です。
今の時期は、大手市場での内覧会、大規模展示会などが集中しています。どうか、生産者のみなさんも自分の農場をもっとPRして下さい。そして、自分の商品を市場、ベンダーの方々に上手にコーディネートしてもらって下さい。
勉強会の話しに戻りますが、司会者の最後の言葉も印象的でした。
ー 明日の成功の為に、今、行動を起こそう。ー